鬼ノ城塾は、美術が好き、そして文化・芸術・地域の持つ力などで岡山をもっと元気にできないかと、その手法を模索している生徒や学生などの若い方々も気軽に参加できるように、塾のすべての講義の聴講を無料で公開しています。
少しでも多くの岡山の皆様が、鬼ノ城塾が招聘する日本の最先端の現代美術家を中心に、建築家、美術館館長、美術評論家、写真家といった多彩な講師と岡山県総社市阿曽の山中の教室でふれあい、学び、討議、交流(クラブハウスの教室での講義・懇親会の後は総社市内に出て、居酒屋で恒例の講師を囲む飲み会まで)する。そして鬼ノ城塾の講座で刺激を受けた皆様の地域における活動によって、岡山がもっと元気になればとてもうれしい、と塾長の林正実。
伝承によれば、古の吉備の国に製鉄など当時の最先端の技術や文化を伝え、吉備の民を導いたとも伝えられる鬼神・温羅(うら)が拠ったとされる岡山県総社市阿曽の古代山城・鬼ノ城(きのじょう)。その麓にある鬼ノ城ゴルフ倶楽部。塾長の林はそのクラブハウスの二階を教室として提供いただき、主宰する鬼ノ城塾は2001年4月から年6回(偶数月)の講座を開催して現在に至ります。
写真は、クラブハウスの西側に展開するコース上から見たクラブハウスの全景。
クラブハウスの正面入り口を入るとすぐ右側にフロント。奥には一階のラウンジが見えます。
左側の階段を上って二階へ。右へ進むとレストラン。左へ行くと鬼ノ城塾がメインの教室として使わせていただいているコンペルーム。その奥には、やはり教室として使わせていただいているパティオ(広場)があります。
【建築家の隈研吾さん】
上の写真は、建築家の隈研吾さん(左)と塾長の林正実。隈さんによる教室での鬼ノ城塾の講義の後の、懇親会場における一枚です。
鬼ノ城塾が発足した2001年4月から年6回(偶数月の第4土曜日)、林が教室として提供いただいている鬼ノ城ゴルフ倶楽部のクラブハウスは、建築家の隈研吾さんの設計です。
東京オリンピック・パラリンピック2020のメインスタジアムである新国立競技場の設計も手掛けた、世界の隈研吾さん。
隈研吾さんは塾長の林正実の要請に応えて、これまでに鬼ノ城ゴルフ倶楽部のクラブハウスにおける鬼ノ城塾の講師を二回務めてくださいました。
上の写真は、その第一回目の講座(2005年 鬼ノ城塾8月講座)の、教室における講義後の、懇親会場の隈さんと塾長の林です。
【現代美術家 松井えり菜さん】
実は、日本を代表する建築家の隈研吾さんの設計、そして格式の高い鬼ノ城ゴルフ倶楽部のクラブハウスが教室ということで、「鬼ノ城塾の聴講無料はもちろんありがたいことですが、ここはどうにも敷居が高くて」と塾長の林正実に、鬼ノ城塾に出席しない本音を漏らす方が結構いらっしゃるそうです。
そこで、教室における講義の雰囲気、塾生の表情などを見ていただき、「鬼ノ城塾は敷居が高い」との皆さまの誤った呪縛(?!)を解きたい、と塾長の林。
まず、写真は現代美術家の松井えり菜さんの2010年12月講座の、パティオ(広場)における講義中の一枚。
クリスマスイブ翌日の12月25日の鬼ノ城塾ということで、松井さんはサンタクロース姿で登場、遊び心いっぱいの楽しいクリスマス講座となりました。
その、講義の中休み時間の写真。一番奥の中央には、講師の松井さんが以前留学したフィンランドで親しんだ飲み物(今回の講座のため、松井さんがフィンランドから取り寄せてくださいました)とお菓子を一生懸命に塾生(今回聴講の塾生は96名)に用意する、かいがいしい!サンタ姿の松井さんの姿があります。
写真はやはり、松井えり菜さんの二回目となる鬼ノ城塾の講義風景。その松井さんの2011年12月講座は、クラブハウスのコンペルームにおける「自画像のワークショップ講座」でした。この日は12月24日のクリスマスイブで、塾生の間を指導して回る松井さんの前にはサンタの帽子で参加の塾生の姿がチラホラ。松井さんも塾生たちも、本当に遊び心いっぱいです。
【美術家 ファイナルファンタジーの天野喜孝さん】
2016年4月講座の講師は、イラストレーター・キャラクターデザイナーの天野喜孝さん。あのファイナルファンタジーのなかの前半の作品ではキャラクターの原案を、後半の作品ではイメージイラストを主に担当されました。
実は、天野喜孝さんに担当いただく2016年の鬼ノ城塾4月講座の数日前に、塾長の林正実に電話が入りました。
「幼児同伴の講義への出席は許されるでしょうか」と。
塾長の林の返事は、「何の問題もありません」だったそうです。
「もしお子さんが講義中に泣かれるようなことがあっても、文句を言う塾生はいないと思います」と。
塾長の林の言葉に励まされ、出席した女性は講義の中で積極的に講師の天野さんに質問(上の写真)、講義の後の別室における懇親会にも参加、天野喜孝さんとの中身の濃い時間を満喫されました。
クラブハウスでの講義、そして懇親会の後の、鬼ノ城の山の中から総社市内に出て、居酒屋で行う恒例の打ち上げ(今回の、打ち上げの参加者は28名)において、講師の天野さんから塾長の林に、「皆さん、のびのびとくつろいで、とても良い雰囲気の講座でした。講義への、塾生の幼児の同伴はこれまでにない新鮮な驚きでしたが、これが鬼ノ城塾なのですね」とのお言葉があったそうです。
【森美術館館長 南條史生さん】
鬼ノ城塾の教室の雰囲気など、もう少しご覧いただきます。
2014年4月講座の講師は森美術館館長の南條史生さん。講義の教室はコンペルーム。塾生たちの、くつろぎながらも真剣に学ぶ気迫が伝わってきます。
その後の総社市内の居酒屋に移った「打ち上げ」で、南條さんは林に、「塾生の皆さん、本当に、熱心だなあ!」と感嘆されたそうです。ちなみに、塾長の林は南條史生さんを「私の現代アートの師匠です」と仰ぎます。
【現代美術家 名和晃平さん】
パティオにおける2010年10月講座の講師は現代美術家の名和晃平さん(名和さん、背中だけの登場で申し訳ありません)。これまた、教室からは塾生の学びへの熱意がヒシヒシと伝わってきます。
実は、名和さんは第14回アジアン・アート・ビエンナーレで最優秀賞を受賞されたバングラディッシュから帰国直後の、鬼ノ城塾のためのあわただしい来岡でありました。
それもあって、クラブハウスでの講義・懇親会の後、総社市内に出て居酒屋で行う恒例の「打ち上げ」の参加者は、これまでで一番多い36名でした。
この名和さんの祝賀会を兼ねた打ち上げの席で、塾長の林は名和さんから、「塾生の皆さんの、学びへの熱量はすごいですね」との言葉をいただいたそうです。
【現代美術家 会田誠さん】
現代美術家の会田誠さんの鬼ノ城塾における1回目の講座(会田さんはこれまでに2回、鬼ノ城塾の講師を務める)となる2011年2月講座は、パティオを教室にした古ダンボールを使ったワークショップ講座でした。
(ちなみに、会田さんの2回目の講義は、2017年8月26日の鬼ノ城塾にとって通算で100回目となる8月講座でした)
鬼ノ城塾は、発足した2001年から開催時間を午後3時からとしていますが、この日は、早くも午前10時頃から塾生がクラブハウスの今回の教室のパティオに集まり始め、講師の会田さんの指導(古ダンボールを使って大小の「∞」を制作する)に従って、黙々と、マイペースで、制作を楽しんでいました。
この日のワークショップ講座で塾生の制作した作品は、東京六本木の森美術館へ塾長の林の手で送られ、森美術館における会田誠さんの「天才でごめんなさい展」開催中の館内の一番奥の展示室で進行中の、会田さんのMONUMENT FOR NOTHINGⅡプロジェクトの作品の素材となりました。
今回の、クラブハウスの鬼ノ城塾のワークショップ講座において、塾生たちが制作した「∞」の作品群の前の会田誠さん(右)と塾長の林正実。
塾長の林正実は、塾生が制作した「∞」作品の全てを東京六本木の森美術館(会田誠さん)に送りました。クロネコヤマトの車両に積み込まれる「∞」の作品群。トラック一台に何とか収まったそうです。
(鬼ノ城ゴルフ倶楽部・クラブハウスの正面入り口前)
東京都港区六本木の森タワービル。森美術館は、このビルの53階にあります。
【会田誠さん 天才でごめんなさい展】
六本木の森美術館で開催された会田誠さんの「天才でごめんなさい展(2012.11.17~2013.3.31)」。
その会期中に、何と49万人の入場者があったそうです。
【森美術館 「天才でごめんなさい展」で鬼ノ城塾の課外講座を開催】
この「天才でごめんなさい展」を開催中の森美術館において、塾長の林正実は会田誠さんによる「鬼ノ城塾の課外講座」を企画(2013年3月20日に開催)しました。(この課外講座へ出席希望の塾生は当日、森美術館入り口前に集合)
その課外講座の教室は森美術館内、会田さんの「天才でごめんなさい展」における、一番奥の展示室。鬼ノ城塾の塾生が制作した∞作品を含めた古ダンボールの作品群を素材として、会田誠さんが更なる制作を行っている空間でした。
写真は、会田誠さんによる展示室での塾生への講義後、会田誠さん、塾長の林正実、そして今回の東京の森美術館における鬼ノ城塾の課外講座に参加した塾生の皆さんの一枚。その足元には、塾生たちの制作した「∞」の作品が。
塾生たちは、岡山県総社市阿曽の山中のクラブハウスにおける私たち鬼ノ城塾の活動が、何と、東京は六本木の森タワービル53階の森美術館における会田誠さんの展示へと繋がることに驚き、そしてワクワクします、と胸を張ります。コンパクトではあっても、岡山と東京を繋ぐ鬼ノ城塾のこういった企画を、これからもぜひ実現していただきたいです、と話してくれました。
【建築家 西沢立衛さん】
最後に、2011年6月の鬼ノ城塾の講師は建築家の西沢立衛さんの講座を。
ご存じのように、西沢さんは6月講座の前年の2010年に、建築界のノーベル賞といわれるプリッカー賞を受賞された日本を代表する建築家の一人です。
写真は今回の講師の西沢さんによる教室での講義が終わり、鬼ノ城ゴルフ倶楽部のクラブハウスのメンバーズルームにおける懇親会の一枚。
左から、今回の講師の西沢立衛さん、阿曽の鋳物師で鬼ノ城塾塾長の林正実、そして金沢から岡山県総社市阿曽の山中まで駆けつけてくださった金沢二十一世紀美術館館長の秋元雄史さん。皆さま、ポロシャツとTシャツです!!
講師も関係者も、林がいつもお願いするように、くつろいだ普段着です。
建築家の西沢さんは、「塾生は、本当にのびのびとくつろいで楽しんでいるけれど、講義への集中力はすごい」と、懇親会の席で塾長の林に洩らされたと。
また、西沢立衛さんがいよいよ鬼ノ城塾の講師として登壇と聞いて、岡山県総社市阿曽の山中のクラブハウスまで駆けつけてくださった金沢二十一世紀美術館館長の秋元雄史さんは、地元新聞社文化部の記者に、「鬼ノ城塾は、この山の中に、すごい講師を年6回招く講座を2001年4月から継続してきた。このようなことは他に聞いたことがありません」と話されたそうです。
皆さま、鬼ノ城塾の、のびのびとくつろいだ、遊び心の講義の様子をご覧いただけましたでしょうか。
塾長の林正実は、まずは出席される皆さまが鬼ノ城塾の講座を、遊び心で、のびのびと楽しんでいただくことが何より大事と言います。「遊びをせんとや生まれけむ」、と。
コロナ禍を受けて、鬼ノ城塾は安心安全を何より第一として、現在も自粛を継続していますが、皆さまの安心安全が確保できる日に至れば、再開へ動きます。皆さまに、古代山城・鬼ノ城の麓で、再びお会いできる日をお待ちします。
2022.12.7. 鬼ノ城塾塾長 林正実